

石垣島から高速船でわずか30分の「黒島」は、人口よりも牛が多いというユニークな特徴を持つ平坦な離島。
まだ観光地化されすぎておらず、自然がそのまま残る静かな環境が魅力です。
自転車で一周できるほどコンパクトなので、初めての離島旅にもぴったり。
透き通る海やのどかな牧場風景、星空観察など、癒しの時間が過ごせます。
この記事では、黒島の基本情報からアクセス方法、見どころ、ベストシーズン、持ち物の準備まで、旅行前にチェックしておきたい情報を網羅してご紹介します。
石垣島滞在中に「どこか静かな場所で癒されたいな」と思ったら、黒島がきっとあなたの理想にぴったりです。
黒島ってどんな島?
石垣島からフェリーで約30分の場所にある「黒島」は、その名の通りハート型をした離島です。
島の面積は約10.0㎢とコンパクトで、自転車でのんびり一周できるサイズ感。
観光客が多すぎず、自然も文化もそのままの形で残っているのが最大の魅力です。
観光地として派手なスポットはありませんが、それこそが黒島らしさ。
人より牛の方が多いとも言われるこの島は、のんびりとした空気に包まれていて、ただ歩いているだけで癒されるような、そんな場所です。
黒島の基本情報と歴史
黒島は八重山諸島に属する有人島で、行政的には沖縄県八重山郡竹富町に分類されます。
島の人口は約200人ほどですが、牛は3000頭以上飼育されており、畜産業がとても盛んな島としても知られています。
歴史的には、農業や漁業、そして牛の放牧とともに暮らしてきた島民たちの営みが今も根付いており、昔ながらの沖縄の生活風景をそのまま体感できる数少ない場所でもあります。
港には資料館や、古い建物を活用した展示スペースもあり、黒島の歴史や文化を学ぶことができます。
牛の楽園と呼ばれる理由
「牛の楽園」と呼ばれる黒島では、島のどこを歩いていても放牧された牛たちの姿を見ることができます。
舗装された道のすぐ横にのんびりと草を食む牛がいたり、広大な牧草地に寝そべる姿があったりと、都会では絶対に見られない風景が広がります。
実際、黒島では毎年2月に「黒島牛まつり」が開催されており、地元の牛肉が当たる抽選会や闘牛イベントなどが行われ、観光客からも大人気。
牛が主役のイベントというのも、なかなか他では見られませんよね。


アクセス方法と所要時間
黒島は石垣島から日帰りで行けるアクセスの良さも魅力のひとつです。
定期船は毎日運航しており、移動時間はたったの約30分。
ちょっとした冒険感覚で、気軽に訪れることができます。
ただし、フェリーの本数は限られているため、事前に時刻表をチェックしてスケジュールを組むのが鉄則。
特に日帰りの場合は、帰りの便の時間を確認してから行動するようにしましょう。
石垣島から黒島へのフェリー情報
石垣港離島ターミナルから黒島行きの高速船が毎日運航しています。
所要時間は約30分で、波が穏やかであれば船酔いの心配も少ないです。


黒島港から観光スポットまでの移動
黒島に到着すると、まず迎えてくれるのはのんびりとした港と、どこまでも広がる青空。
公共のバスなどはなく、基本的にはレンタサイクルか徒歩での移動となります。
特におすすめなのは自転車。黒島はほとんど坂がなく、サイクリング初心者でも楽に一周できるので、離島ならではの景色を堪能しながら移動を楽しめます。
ベストシーズンと天気の傾向
黒島は一年を通して温暖な気候に恵まれており、どの季節でも訪れることが可能です。ただし、より快適に観光を楽しむためには、天候や気温、海の状況をチェックしておくのがおすすめです。
特に気になるのは台風シーズンや真夏の暑さ。ベストな時期を選べば、より快適に島の魅力を満喫できますよ。
おすすめの時期はいつ?
黒島観光にもっとも適しているのは、3月~5月、もしくは10月~11月の春・秋シーズンです。気温は25度前後と過ごしやすく、海も美しく透明度が高いのが特徴です。
逆に、7月〜9月の夏は観光のハイシーズンですが、気温が高く日差しも強烈なので、熱中症や日焼けには注意が必要です。
黒島の気候と持っていきたい服装
黒島は年間を通じて気温が高く、冬でも15〜20℃ほどと暖かい日が続きます。服装は基本的にTシャツと短パンでOK。ただし、風が強い日や急な雨に備えて、軽い上着やレインコートを持っていくのがおすすめです。


黒島の観光スポット・体験
黒島は「映えスポット」や「アクティブ体験」が詰まったタイプの観光地ではありませんが、自然の美しさと島らしい空気をゆっくりと感じられる場所が点在しています。牧場風景や海、伝統文化に触れられるポイントも多く、心をリセットしたい方にぴったりの癒し旅になります。
ここでは、黒島を訪れたらぜひ立ち寄ってほしい見どころをご紹介します。
黒島研究所でウミガメと出会おう
黒島港から自転車で10分ほどの場所にある「黒島研究所」は、ウミガメの研究と保護を行う小さな施設です。実際に海洋生物が飼育されていて、子どもから大人まで楽しめるスポットになっています。
ウミガメやサメの標本展示のほか、生きたナマコやヒトデにも触れられる体験コーナーもあり、生き物好きにはたまらない空間。黒島の自然と共に暮らすということを学べる場所です。


伊古桟橋で絶景の海と風を感じよう
「伊古桟橋(いこさんばし)」は黒島の絶景スポットとして知られています。長さ354mもの桟橋が海へまっすぐ伸び、視界いっぱいに広がるエメラルドブルーの海に包まれる体験ができます。
特に夕方の景色は息をのむ美しさ。風を感じながら桟橋の先まで歩いていく時間は、何も考えずにただ自然と向き合える贅沢なひとときです。


ビーチ・シュノーケル・サイクリング
黒島の魅力は、ただ景色を眺めるだけではありません。島の自然を体で感じるアクティビティがいくつもあります。観光地のような派手さはありませんが、“何もしない贅沢”と“素朴な体験”がこの島の楽しみ方です。
ここでは、黒島の自然とたっぷり触れ合える3大アクティビティをご紹介します。
のんびりビーチで南国の風を感じる
黒島にはいくつかの自然ビーチがありますが、その中でもおすすめは「西の浜」と「仲本海岸」です。どちらも人が少なくて静かで、プライベート感たっぷり。
海に足をつけてぼーっとするだけでも、日常のストレスがふわっと消えていくような心地よさがあります。海岸にはシャワー設備などはないため、事前に準備しておくことがポイントです。


シュノーケリングでサンゴと熱帯魚を満喫
黒島の周辺海域はサンゴ礁に囲まれており、海の透明度も抜群。海岸からすぐ近くで熱帯魚やサンゴを観察できるため、シュノーケリングにも最適です。
ただし、ライフセーバーや監視員はいないため、安全面には自分で配慮が必要。ライフジャケットやマリンシューズの持参をおすすめします。
自転車で島を一周する“癒し旅”
黒島は島全体がほぼ平坦なので、自転車での島一周がとっても気持ちいい!港付近でレンタサイクルが借りられ、ビーチや展望台、放牧場をのんびり回れます。
車もほとんど通らないため、静かで安全。ただただ自然の中を走る贅沢な時間がそこにあります。夏場は熱中症対策を忘れずに!


旅行前に準備しておきたいもの
黒島は自然豊かでのんびりとした離島ですが、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどは一切ありません。そのため、必要なものはあらかじめ石垣島で準備しておくことが大切です。
また、天候や気温の変化、観光スタイルによって持ち物が変わるので、ここでは黒島観光をより快適に楽しむための持ち物リストをご紹介します。
黒島観光の必需品リスト
以下のアイテムは黒島での観光を安全&快適にするためにマスト。忘れるとけっこう困るものもあるので、チェックリストとしてご活用ください。


日帰り観光か宿泊かで持ち物が変わる
日帰りの場合は最低限でOKですが、宿泊する場合は下記のものもあると安心です。特に宿泊施設によってはアメニティが少ないところもあるので、事前に確認しておきましょう。


どんな観光客におすすめ?
黒島は「何もない贅沢」が味わえる島。アクティブな観光地ではなく、“ゆったり・癒し・自然”を求める人にこそぴったりの場所です。ここでは、黒島が特におすすめな観光客のタイプを紹介します。
自然が好きな人・写真好きな人におすすめ
青い空、広がる牧草地、真っ直ぐ伸びる桟橋、エメラルドグリーンの海。黒島はまさに“絵になる風景”の宝庫です。派手な観光地にはない、ありのままの自然が広がっているので、自然愛好家やカメラ好きにはたまりません。
特に以下のような方におすすめです:

せかせかした日常に疲れた人におすすめ
黒島では時間がゆっくり流れています。信号もない、車も少ない、観光客も少ない。「何もしない時間」を心から楽しめるという、ある意味で究極のリラクゼーションが叶います。

カップル旅行や一人旅にもぴったり
実は黒島は、恋人との旅行にも、一人でのんびり過ごす旅にも人気が高いスポットです。誰にも邪魔されない静けさと、美しい風景がふたりの時間や自分の時間を特別なものにしてくれます。

まとめ:黒島は“心をととのえる離島”
石垣島からフェリーでたった30分。便利すぎない、静かすぎる、何もなさすぎる。でも、だからこそ黒島は旅人の心を優しく包んでくれる離島です。
牛がのんびり草を食べる風景、360度の海と空、桟橋の先で聴こえるのは風と波の音だけ。何もしない時間を過ごすことの大切さを、きっとこの島が教えてくれます。


黒島を訪れる際は、石垣島での準備を万全にしておくことが成功のカギ。
そして、観光よりも「感じる」旅を楽しんでください。
小さな島の大きな癒しが、あなたの旅の思い出になることを願っています。